石窯製作記録 その2

石窯の型

前章で 耐火レンガ の必要枚数を算出しておきましょう などと軽く書いておりますが
石窯の型は簡単に決められる物では有りません

私もかなり迷いました・・・

何故かと言うと自作の石窯には標準の寸法とか標準の大きさの設計図という物が存在しないのです
私もネット上でかなり探しまわりましたが今ひとつ コレが作りたい! と言う物に出会えませんでした

■石窯の種類

細かい事は をご覧いただくとして・・・

石窯の種類は大きく分けて3種類だと思います

  • ドーム型(一番石窯らしい形)
  • カマボコ型
  • 四角に積むだけ

この3種類に煙突が付くかどうか又は燃焼室が付くかどうかバリエーションでしょうね
上から順にレンガの加工(切る・削る)が必要な度合いでも有ります

※耐火レンガを素晴らしく加工されほぼ隙間無くレンガを積んだドーム型の窯を作られた
サイトも見つけました、レンガの加工の手間が半端じゃ無かったと思います スゴイです!
興味の有る方はこちら からどうぞ

師匠(ピザ屋のマスター)に相談したところ 「レンガを積むのはカマボコ型の方が楽だよ」と言われ
自分でも実際にレンガを数個だけ削って見ましたが とてつもなく大変な作業でした
私はスグめげてカマボコ型で行こうと決めました

※師匠から 「ダメだったら作り直せばいいんだから!頑張って!」その言葉が励みになりました
そうですダメな時は作り直せばいいんです!気持ちが楽になる言葉でした

私の石窯

カマボコ型で行こう!とは決めましたがさてどんな格好で?大きさは?とまたまた暫く悩むことに・・・・

これが楽しい時間と言えばそうかも知れませんけど・・・
私が石窯を作るコンセプト(大袈裟)

  • パンを燃く部分が今の電気オーブンレンジより大きい事
  • レンガが余るほどあるので薪を燃す部屋とパンを焼く部屋を別々に作る(追い焚き可能にする)
  • 特殊なレンガを使わない
  • 何度でも作り直せる

上記コンセプトに検討に検討を重ねまして(笑)下の画像のようにカマボコを2つ並べたような形にしました
通常燃焼室と焼く部屋を分けた場合上下2段の構成が多いのですが上下の仕切りに耐火レンガの板を
使用しないと作れないので特殊なレンガを使わない のコンセプトが崩れるので2つ並んだ型にしてみました
ダメだったら作り直せばいいんです(笑

isigama-zumen

設計図と言えないような方眼紙に書いたポンチ画みたいな物ですが・・・
右側の燃焼室で薪を燃やしてその熱だけを左右のつなぎ目を通してパンを焼く部屋へ
送り込もうってアイディアです企画倒れに終わる可能性も有りますが
その時は左右のつなぎ目を塞いで左右独立したダブル石窯にすればOKかと・・・既に弱気(笑

左右のつなぎ目はこんな感じに作って有ります

※最終的には 三石耐火煉瓦(株) さんにちょっと特殊な横セリレンガを頼んだので最初から耐火レンガの板を
使った方が作り易かったなと思いました(その分特徴のある石窯になると自負してますけど)

場所の確保

製作する窯のサイズがだいたい決まりましたら土台作りの開始ですが

石窯のつくり方楽しみ方 にも書いてある通り相当な重量物が乗ると考えて下さい
地盤の弱い所だと出来上がりました!けど沈みました!なんて事にならないように選定してください

私の場合家の裏側に作る事にしましたので以前あった鳥小屋を解体して場所を確保しました
40年以上前に整地した宅地なので地番沈下は心配ないと思います(思いたいだけ?)

画像の通り小屋と木に挟まれた割りと狭い空間です、出来れば何も無いオープンな場所に作りたかったのですが
家庭の事情でここに作らざるを得ませんでした、作り易さを考慮すれば周りに何も無いオープンな場所がベストだと思います

土台!土台!土台!土台!土台!土台!土台!

土台作り!もうヤダ!と言いたくなるくらい土台作りは続きます

土台作りは重要ですよ!!ココでめげないで慎重に作って下さい!!

土台の穴掘り 約10cmの深さで 1.7m×1.2m 掘りました

ブロックを積んで行きますのでブロックの幅より余裕があるように穴を掘りましょう、余裕が無いと作業がやり辛いです

ブロック積み1段目 ブロック12個

掘った穴へ砂利(砕石)を敷き詰めて足で踏みます砕石を踏み固める道具があればそれを使いましょう

砂利の上にメッシュの鉄筋を敷いてある程度の厚みになるようにコンクリを流しながして
その上にブロックを置いて水平になるように左右を叩いてあわせていきます

プロならなんでも無い様な作業でも素人には難しいです・・・
1個目のブロックを置いたら後はエイ!ヤー!で並べるだけでした・・・
それでもそんなに狂う事は無く水平器だけでもなんとかなるもんです(本当か?)

※出来る限り水平と垂直を取りましょう!その方が後々の為です

※耐火レンガを床面に敷き終えてから気づきましたが・・・

・土台の大きさはブロックの大きさと数で縦×横を決めるのでは無く
床面に敷く耐火レンガの数を考慮してから決めましょう

・横方向に並べるなら11.4cm×個数+目地(隙間)×(個数?1)の寸法になります
目地(隙間)はなるべく狭くした方が凸凹が無くなります(土台の仕上げ次第ですが)
後で登場しますが目地(隙間)埋めに耐火モルタルを使用する場合目地は5mm以内が原則です

2段目まで完成

予定ではブロック積みを2段にするつもりで鉄筋を入れてなかったのですが
急遽予定を変更して中の仕切りを付け左側だけ3段にする事にしたので
慌てて鉄筋を入れましたがどの程度効果があるか不明です

その後仕切りの左右の床面に厚さ5cmほどのコンクリートを流し込んで養生しました

3段目まで完成

ブロックの穴を埋め手伝っているセガレ

2段目まで積んだ所で砕石を詰めたかったのですが砕石を頼んだ仲間が寝てるらし

午後1時になっても来てくれません・・・仕方が無いので3段目を積んでましたら砕石が到着しました(遅いっつうの)

砕石の量は計算では 0.46m3 仲間にもコレくらいだよと指定したのに何故か 1m3 ほど積んで来ました・・・
余っても処理のしようがないので持ち帰ってもらいました

砕石の値段ですか?ホームセンターでも売ってますが量が多いと結構な値段になると思います
土建屋さんでも水道屋さんでも砕石を扱う知り合いがいたら遠慮しないで頼みましょう
取引される金額が桁違いに違います

私は仲間にタバコ代として千円しか払いませんでしたけど(笑

砕石を詰めました

砕石も詰め終り土台部分はやや完成に近づきました

画像では土台の上にメッシュを乗せてますが
このの段に厚さ5cmのコンクリートを流す予定でしたがコンクリート練る事がイヤになり2cm厚に予定変更
2cmの厚みにメッシュが上手く入らないので入れませんでした

下段のコンクリ打ち終わり

十分足りると思って練ったコンクリが途中で足りなくなり
慌てて追加で練ったりしましたがようやく下段のコンクリート打ち完了・・・・

その日の夜物凄い雨が降りましてブルーシートを掛けていたにも係わらず表面が洗い流されてしまいました

仕方が無いのでザラザラになったコンクリの上にモルタルで1cmほど上塗りして仕上げする事にしました

上段のコンクリート打ち

下段(右側)から耐火レンガを積んで来る関係で左右の差が25cmほど必要でした計算では
80cm×100cm×5.5cm=0.04m3 44リットルものコンクリート!!
かなりコンクリを練る作業に疲れていたので 絶?対無理!! とインチキ工事を敢行!

ホームセンターで 25cm×25cm×5cm厚のコンクリートの板を
12枚購入して来てかさ上げする事にしました (汗

その上に薄くコンクリートモルタル流し仕上げをしました
良い子はマネしないで5cm厚でもコンクリートを打ちましょう(笑

一応土台の完成です

※土台を作り終えて感じた事
ブロック積みと言えども相当な量のコンクリートが必要で手で練る作業も大変でした
小さめのコンクリートミクサーでもあれば練る作業も楽に行けると思いますが・・・
手で練らずに最初から仲間からミクサーを借りてくれば良かったと後悔してます

ブロック内部に砕石を積めたりする作業も必要ですし
実際にレンガの乗る床面の仕上げもなかなか上手く行きません
素人には大変な作業の連続でした

コレだけの労力をかけたくないのなら最初からコンクリート枠をしっかりと組んで
生コンを流し込むって方法も有りだと思います金額的にもその方が安く上がるかも知れません
ご自分の一番良い方法を検討してみてください