石窯製作記録 その4

いよいよレンガ積み

その2 で書いた石窯作りのコンセプトで 何度でも作り直せる ようにする為には
耐火セメントのような完全に接着してしまう材料は使えません

今回はレンガ同士の接着はしないで隙間を全て耐火モルタルだけで埋めて行く予定です

耐火モルタルは砂の入った粘土ですセメントのモルタルとは姿も使い方も全く別物です
耐火モルタルの詳細は CHIKUROの館 をご覧いただくと詳しく書いて有ります

隙間を埋めたい方向に耐火モルタルを塗って貼り付けて行く

床面にレンガを並べる

先ずは床面にレンガを並べて行きます

土台作りの時も書きましたが土台の寸法と並べるレンガの枚数を計算しておいて
目地(隙間)の調整をしながら並べた方が楽です
床面は直接パンを置いて焼くようになりますから出来るだけ凸凹が無いようにしましょう
目地(隙間)が広いとどうしても目地が凹んでしまいたいらになりません
なるべく目地の間隔(隙間)は狭くしましょう

極端な話、土台の仕上げが良ければ(まっ平)なら土台の面にも目地にも耐火モルタルが
必要ないんじゃないかと思います
(耐火モルタルの役目は隙間を塞ぐだけですから隙間が無ければ必要無いという意味です)

※この床面(水平に積む事)が一番難しいと思います
一番難しい場所が最初と言うのは厳しい物が有りますがココを積まないと先に
進みません納得するまで何度もやり直して下さいその方が練習になります

上の画像のように必要な面に耐火モルタルを左官ゴテで塗りつけておき
目的の場所に 「ぺたっ」 っとくっつけて木槌で 「コンコン」 叩いて場所の移動・水平を取って行きます

※耐火モルタルの硬さは スポンジケーキの生地 くらいが良いと思います
硬いメレンゲに小麦粉を混ぜた時のように ふわっと した状態が塗りやすく調整も効きます
判りにくい表現ですがまさにそんな感じなのです
メレンゲが判らない方はケーキを焼かれる方に聞いて下さい
レンガを積むうちに丁度良い加減が判りますから大丈夫です

※耐火モルタルの作り方は耐火モルタルに水を混ぜるだけですが
耐火モルタルに水を入れていく方法だと水の量が少ないうちは硬くて上手く混ざりません

何度もかき混ぜているうちに思いつきました・・・
バケツに適量の水を入れておいて耐火モルタルを少量ずつ投入しかき混ぜます
最初はベチャベチャ状態ですがかき混ぜながらモルタルを少しずつ投入していく方が
かき混ぜ易く硬さの調節が簡単です
強度的に問題があるのかも知れませんがこの順番の方が楽ですお試し下さい

※ちなみに画像のモルタルではちょっと硬くて作業しづらいかと思います

耐火モルタルの硬化について

どうしても気になってネットでかなり調べてたので書いておきます

耐火モルタルは を加える事によって硬化して強度も生まれます
しかしその硬化温度は薪を燃やしてもやっと固まる程度だそうです

薪を燃やすと窯の内部は
約500?600℃ まで上昇するのですが
その温度がそのまま窯の外側には伝わりません(何%なのかは不明)

要するに火の届かない場所に耐火モルタルを使用しても
乾燥して硬くなるだけで強度は出ないって事です

ですから窯の外側に耐火モルタルを使用する場合は 粘土 だと思って使う必要が有ります
なら最初から安い 粘土 でもいいんじゃないのって事です

穴埋めに粘土を使う事は 石窯のつくり方楽しみ方 にも書かれています
ナニがナンでも 耐火モルタル を使わなければならないって訳ではありません
熱くなる所には耐火モルタル、温度が上がらない所には粘土、
加工が複雑なところは耐火セメント、七輪の材料の珪藻土なんてのも有って
ある程度熱に強いみたいです、フツーの赤レンガでも焼いて作ってあるので
セメント(ブロック)よりは熱に強いみたいです

ぶっちゃけレンガを使わずとも不定型耐火物と言われるキャスタブル
(耐熱性のあるコンクリートみたいなものらしいです)を固めて作っても
石窯の役目は出来ると思います

要するに適材適所 ご自分の都合に合う物を使用しましょう!

※粘土を調達するのが面倒だったので今回の窯の製作は熱が掛からない場所も
隙間を埋めるのは全部耐火モルタルを使っています

レンガ積みは続くよいつまでも

床面1段目と背面の画像

床面2段目完了

土台部分から端のレンガがはみ出ているのが判ると思います
最初に書いたようにこうならないように並べるレンガの数を決めてから
土台の寸法を決めましょう

窯の左右部分と背面の積み上げ

レンガは平面を並べるより積み重ねていく方が楽です
半分の大きさのレンガを用意しておいて一気に積んでいきます

1段目と2段目はレンガ半分ずらして力が分散して掛かるように積みます

ココまでに積んだレンガの個数は 約240個!! 腱鞘炎になりました(笑

2個の窯を作る分を上回る数を贅沢にも使っています

次は窯のアーチ部分へ進みます